ノコギリヤシは癌の予防にもなる?

ノコギリヤシは男性の前立腺肥大による尿トラブル対策や薄毛対策に効果があることからサプリメントとして広く使用されています。
前立腺は男性にのみ存在する器官で加齢によって男性ホルモンの影響度が変わることで肥大化し、これを原因として発症するトラブルの対策にノコギリヤシが有効です。
では前立腺癌にも効果はあるのでしょうか?
前立腺癌の症状は排尿困難や頻尿および残尿感など前立腺肥大によるものとよく似ています。
しかし、その発症する部位は異なります。
前立腺の構造は尿道と一体化した内線とその外側にある外線とで構成されています。
前立腺肥大はこの中の内線部に発症する良性の腫瘍ですが、前立腺癌は外線部に発症する悪性の腫瘍なのです。
前立腺癌は悪性の腫瘍ですので早期の発見・治療が必要です。
日本では欧米に比べるとかつて発症は少なかったのですが、最近は増加傾向にあるようです。
前立腺癌が日本でも増加している原因として高齢者人口の増加や日本人の食生活の変化、そして前立腺癌が発見しやすくなったことなどがあげられます。
食生活に関しては日本人が緑黄色野菜を摂取する割合が減って動物性タンパクや脂肪分を摂取する割合が増えて欧米型の食生活になってきたことが原因と考えられます。
前立腺癌の発症原因はまだ明確にはなっていませんが、高齢化にともなう男性ホルモンの影響や動物性脂肪を多く摂取していること、そして遺伝によるものが考えられています。
この男性ホルモンの影響に対してはノコギリヤシの男性ホルモン抑制効果が期待できそうです。
前立腺癌の早期発見に効果のある診断方法としてPSA検査というものがあります。
前立腺癌にかかるとこのPSA値が上がるのです。
しかしPSAの値は前立腺肥大によっても値は高くなることがあります。
そのためPSA検査だけではなく前立腺生検などで癌細胞を確認する必要があります。
PSA値は前立腺肥大に比べると前立腺癌の場合の方が高くなる傾向があるようですが、現時点ではノコギリヤシのエキスを投与した際のPSA値の変化について有意差が確認されたという報告はありません。
このことからノコギリヤシが前立腺癌に対して有効かどうかは明確になっていない状態だといえます。
前立腺肥大と前立腺癌による症状の区別は難しいですが発症部位も異なるため別物と考える方が良いでしょう。
しかし前立腺に良いとされることは試してみる必要はあります。
日常の食生活を見直すことや特に50歳を過ぎて気になることがあったら早めに医師の診断を受け、できれば定期的にPSA検査を受けましょう。